2008年3月6日木曜日

ベートーヴェン&富山の合唱組曲シリーズ


明日3月7日の『北日本新聞』、芸能とやま欄の「クロスレビュー」にて、このコンサートを取り上げます。字数の関係で2月25日の高岡公演のみにしましたが、富山公演にも行きました。以下、簡単ではありますが、富山公演の感想をメモしておこうと思います (なお、新聞記事の方は「で・ある」調の文体になっております) 。

2月24日、県民会館で行なわれた第1弾のコンサート「ベートーヴェン&富山の合唱組曲シリーズ」第1弾は、独奏者に高岡市出身ピアニスト、桑生美千佳さんを迎え、ベートーヴェンの《皇帝》協奏曲を演奏しました。テンポをがっちりと保持しながら、美しい打鍵で魅了するタイプの解釈と思いました。端正な弾きっぷりを貫徹し、そのスタイルは、オーケストラ演奏にも影響していたように思います (これは高岡公演にも見られた独奏者とオーケストラとの相互作用だと思います) 。

メインの《田園》交響曲は、すっきりとした響きの中に様々なフレーズが見え隠れし、この曲が、音による標題の描写だけでは語れない作品であることを、改めて認識させてくれたのではないでしょうか。交響曲の形式的な約束事を踏襲しながら、そこに文学的発想を盛り込んだドラマがある、ベートーヴェンの名作でありましょう。

富山県民会館の音響は、合唱には良かったと思います。岩河三郎の混声合唱組曲《富山に伝わる三つの民謡》では、その歌詞が高岡文化会館の時よりも、はっきりと聴こえたように思われたからです。舞台の奥行きがない分、客席には届きやすかったんでしょうか。オーケストラ (大町陽一郎指揮東京フィル) の音色の混ざり具合については、高岡文化会館の方が私の好みには合っていました。楽器の音それぞれを際立たせるには、あるいは富山県民会館の方がいいのかもしれませんが。

いずれの公演も、例えば石川県立音楽堂のような、残響の長いホールに慣れていると、かなり性格が違いますね。共通しているのは、どちらも独奏の音、特に細かいフレーズが明確に聞こえてくるということでしょうか。

(追記) 
この演奏会を扱ったブログ記事へのリンクを貼っておきます。

2008年3月3日月曜日

ラ・フォル・ジュルネ金沢


石川県立音楽堂の中にあった看板です。
公式サイトはこちら→http://www.lfjk.jp/

2008年3月2日日曜日

金聖響/OEKのブラームス4番

日3月1日、金聖響指揮オーケストラ・アンサンブル金沢によるブラームス4番 (公開録音セッション) を聴いてきました。 録音会場は、もちろん石川県立音楽堂です。

第1 (CD) ・第3 (実演) を聴いた時と同様、頭が冴えてくる解釈で、ティンパニーの強打は強烈でした。粗削りのブラームスと言われるかもしれませんが、決して雑だとは思いません。ただ、おそらくメランコリックで流れるような解釈を念頭に描いている人には抵抗があるのかもしれません。とはいえ、第4楽章のトロンボーンのコラールが頭から離れなかったということもあり、抒情的な部分も、さりげなく耳に入ってきていたようです。

余韻を一息感じてからの拍手で、会場の雰囲気は良かったと思います。この日録音されたブラームスの第4交響曲のCDは、今年の秋、Avexからリリースされるとのこと。

コンサート後、せっかく金沢に来たのでレコード・ジャングルに寄りたかったんですが、物書きの仕事があったので、やめました (^^;; 

2007年12月17日月曜日

音楽評「OEK第231回定期公演」を書きました。

11月にピヒラーさんが振った演奏会のレビューを書きました。私がプレトークをさせていただいた回で、村治佳織さんがロドリーゴの《アランフェス協奏曲》をお弾きになった公演です。きょうの『北國新聞』に掲載されていると伺っております。どうぞよろしくお願いいたします。

2007年12月4日火曜日

音楽評「OEK第230回定期公演」を書きました。

オリヴァー・ナッセンさんが英米圏の近現代作品を指揮したオ-ケストラ・アンサンブル金沢の第230回定期公演。この音楽評が12月3日付の『北國新聞』に掲載されているとのことです。『富山新聞』にも掲載されていると思いますので、ぜひご覧ください。

2007年11月26日月曜日

桐朋アカデミー・オーケストラ 特別演奏会

桐朋アカデミー・オーケストラ 特別演奏会
オーバード・ホール (富山市) 、2007年11月23日、19:00開演

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調作品27

岡田博美 (ピアノ) 、尾高忠明指揮桐朋アカデミー・オーケストラ

 桐朋アカデミー・オーケストラ、11月の特別演奏会では、仙川からの学生、教員、プロのオーケストラのメンバーも加え、大編成のオケで、ラフマニノフ作品2曲を演奏した (富山市 オーバード・ホール) 。 ピアノ協奏曲第2番において独奏を担当した岡田博美は、例えばピアノ弦の振動が見えてくるような剛直なタッチではなく、ヴィルトーゾ色を前面に押し出すタイプでもなく、落ち着いたテンポの中に、しっかりとした音を刻みながら、きちんと鳴らすタイプなのだろう。もちろん必要とならば、華麗なピアニズムを披露することも、おしまない。

 桐朋アカデミー・オーケストラは、特に中音域が、もそもそした感じに聴こえることがあるのだけれど、この演目に関しては気にならなかったし、オケが出るべき箇所ではきちんと鳴らしていたところに好感をもった。尾高さんの指揮の、キューの明確さも一要因なんだと思う。

 交響曲は、「詰め物」が多い分、リリシズムに走りすぎるとぼやけてしまうように思うのだが、やはり尾高さんの指揮のリードのうまさが光ったと思う。クレッシェンドは、「<」という記号か「cresc.」という言葉で簡単に示されているだけだが、それがどういう文脈で出て来て、音楽をどこへ導いていくのかというのが、決して知的な計算なんかでなく (もちろんそういうものはあっていいし、この演奏でも皆無というわけではない) 、流れるように、次々と連鎖していく音として具現化されるところに感動を覚えるのだろう。第3楽章のクライマックスへ、じわじわと持って行くさまに心を打たれた。

 オケの、いつものもっさりした感じはあったし、ホルンのピッチが気にはなったけど、おおむね上出来ではなかっただろうか。

 演目に興味を持ったのか、ピアニストに人気があるのか、はたまた特別演奏会は前評判がいいからか、いつもよりもかなり人が多かった。あれだけ狭い間隔に座席数だけはやたらと多いオーバードで8割近くというのは良い方だと思う。来年も尾高さんの振る回はチェックしておこう。

(追記) 「オーバードで8割」と書いてしまいましたが、お客がたくさんいたのは1階だけだったのかもしれません。「とやま豆新聞」の記事によりますと、918人だったそうです。それでもけっこう入った方だと思ったんですが。