2007年12月17日月曜日

音楽評「OEK第231回定期公演」を書きました。

11月にピヒラーさんが振った演奏会のレビューを書きました。私がプレトークをさせていただいた回で、村治佳織さんがロドリーゴの《アランフェス協奏曲》をお弾きになった公演です。きょうの『北國新聞』に掲載されていると伺っております。どうぞよろしくお願いいたします。

2007年12月4日火曜日

音楽評「OEK第230回定期公演」を書きました。

オリヴァー・ナッセンさんが英米圏の近現代作品を指揮したオ-ケストラ・アンサンブル金沢の第230回定期公演。この音楽評が12月3日付の『北國新聞』に掲載されているとのことです。『富山新聞』にも掲載されていると思いますので、ぜひご覧ください。

2007年11月26日月曜日

桐朋アカデミー・オーケストラ 特別演奏会

桐朋アカデミー・オーケストラ 特別演奏会
オーバード・ホール (富山市) 、2007年11月23日、19:00開演

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調作品27

岡田博美 (ピアノ) 、尾高忠明指揮桐朋アカデミー・オーケストラ

 桐朋アカデミー・オーケストラ、11月の特別演奏会では、仙川からの学生、教員、プロのオーケストラのメンバーも加え、大編成のオケで、ラフマニノフ作品2曲を演奏した (富山市 オーバード・ホール) 。 ピアノ協奏曲第2番において独奏を担当した岡田博美は、例えばピアノ弦の振動が見えてくるような剛直なタッチではなく、ヴィルトーゾ色を前面に押し出すタイプでもなく、落ち着いたテンポの中に、しっかりとした音を刻みながら、きちんと鳴らすタイプなのだろう。もちろん必要とならば、華麗なピアニズムを披露することも、おしまない。

 桐朋アカデミー・オーケストラは、特に中音域が、もそもそした感じに聴こえることがあるのだけれど、この演目に関しては気にならなかったし、オケが出るべき箇所ではきちんと鳴らしていたところに好感をもった。尾高さんの指揮の、キューの明確さも一要因なんだと思う。

 交響曲は、「詰め物」が多い分、リリシズムに走りすぎるとぼやけてしまうように思うのだが、やはり尾高さんの指揮のリードのうまさが光ったと思う。クレッシェンドは、「<」という記号か「cresc.」という言葉で簡単に示されているだけだが、それがどういう文脈で出て来て、音楽をどこへ導いていくのかというのが、決して知的な計算なんかでなく (もちろんそういうものはあっていいし、この演奏でも皆無というわけではない) 、流れるように、次々と連鎖していく音として具現化されるところに感動を覚えるのだろう。第3楽章のクライマックスへ、じわじわと持って行くさまに心を打たれた。

 オケの、いつものもっさりした感じはあったし、ホルンのピッチが気にはなったけど、おおむね上出来ではなかっただろうか。

 演目に興味を持ったのか、ピアニストに人気があるのか、はたまた特別演奏会は前評判がいいからか、いつもよりもかなり人が多かった。あれだけ狭い間隔に座席数だけはやたらと多いオーバードで8割近くというのは良い方だと思う。来年も尾高さんの振る回はチェックしておこう。

(追記) 「オーバードで8割」と書いてしまいましたが、お客がたくさんいたのは1階だけだったのかもしれません。「とやま豆新聞」の記事によりますと、918人だったそうです。それでもけっこう入った方だと思ったんですが。