明日3月7日の『北日本新聞』、芸能とやま欄の「クロスレビュー」にて、このコンサートを取り上げます。字数の関係で2月25日の高岡公演のみにしましたが、富山公演にも行きました。以下、簡単ではありますが、富山公演の感想をメモしておこうと思います (なお、新聞記事の方は「で・ある」調の文体になっております) 。
2月24日、県民会館で行なわれた第1弾のコンサート「ベートーヴェン&富山の合唱組曲シリーズ」第1弾は、独奏者に高岡市出身ピアニスト、桑生美千佳さんを迎え、ベートーヴェンの《皇帝》協奏曲を演奏しました。テンポをがっちりと保持しながら、美しい打鍵で魅了するタイプの解釈と思いました。端正な弾きっぷりを貫徹し、そのスタイルは、オーケストラ演奏にも影響していたように思います (これは高岡公演にも見られた独奏者とオーケストラとの相互作用だと思います) 。
メインの《田園》交響曲は、すっきりとした響きの中に様々なフレーズが見え隠れし、この曲が、音による標題の描写だけでは語れない作品であることを、改めて認識させてくれたのではないでしょうか。交響曲の形式的な約束事を踏襲しながら、そこに文学的発想を盛り込んだドラマがある、ベートーヴェンの名作でありましょう。
富山県民会館の音響は、合唱には良かったと思います。岩河三郎の混声合唱組曲《富山に伝わる三つの民謡》では、その歌詞が高岡文化会館の時よりも、はっきりと聴こえたように思われたからです。舞台の奥行きがない分、客席には届きやすかったんでしょうか。オーケストラ (大町陽一郎指揮東京フィル) の音色の混ざり具合については、高岡文化会館の方が私の好みには合っていました。楽器の音それぞれを際立たせるには、あるいは富山県民会館の方がいいのかもしれませんが。
いずれの公演も、例えば石川県立音楽堂のような、残響の長いホールに慣れていると、かなり性格が違いますね。共通しているのは、どちらも独奏の音、特に細かいフレーズが明確に聞こえてくるということでしょうか。
(追記)
この演奏会を扱ったブログ記事へのリンクを貼っておきます。
→ベートーヴェン&富山の合唱組曲シリーズ (Cozy Lounge)
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